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今週の注目スイッチ:Keygeek Y2x と Y2 の違い

公開

はじめに

今週の注目スイッチは、MZ Studio が設計し Keygeek が製造する Keygeek Y2x です。Keygeek Y2 の後継モデルで、ここ数週間 KeyLab DB で閲覧が特に多いスイッチのひとつです(多くは製品名での検索から来ています)。

Y2 は「ロングポールのリニアの中でも特に低く深い音」として評判になったスイッチです。Y2x はトラベルとバネのラインナップをそのままに、ステムの素材とハウジングの色の 2 点を変えました。本記事では、販売店の仕様・購入者の評価・Y2 の詳細レビューをもとに、その変更の意味を整理します。

Keygeek Y2x switch image
Standardリニア
作動荷重: 32g
総ストローク: 3.6mm
ピン数: 5
トップハウジング: PA12
ボトムハウジング: PA12
工場潤滑済み: はい
ハウジング材質: PA12 / PA12
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先に結論

こんな人に向き・不向き
静音ではないが、深くこもった音のリニアがほしい向いている。 低く丸い底打ちの音を狙った設計
Y2 は好きだが、ぐらつきが気になった向いている。 購入者から「Y2 よりぐらつきが少ない」との声
RGB の色をそのまま出したいY2 より向いている。 赤ではなく透明ハウジング
高めでカチャッとした軽快な音がほしい向かない。 底打ちを柔らかくすることが設計の主眼
すでに Y2 を使っていて満足している任意。 トラベルと荷重は同じで、違いは細部

Y2x と Y2 の比較

KeyLab DB の登録値と、両スイッチの UniKeys 製品ページにもとづく、2026年10月4日時点の情報です。

項目Keygeek Y2xKeygeek Y2
ステムU8 UPEU5+ UPE ブレンド(ワッフル状の先端)
ハウジング透明 PA12(上・下)半透明の赤 PA12(上・下)
作動荷重32 / 40 / 48 / 53g32 / 40 / 48 / 53g
ボトムアウト荷重37 / 45 / 53 / 63.5g37 / 45 / 53 / 63g
バネ22mm(32〜48g)/18mm(53g)シングルシングルステージ(日本製ワイヤー)
プリトラベル2.0mm ± 0.2mm2.0mm ± 0.2mm
トータルトラベル3.6mm ± 0.2mm3.6mm ± 0.2mm
潤滑工場出荷時に潤滑済み工場出荷時に潤滑済み
ピン数5(KeyLab DB)5(KeyLab DB)
設計/製造MZ Studio/KeygeekMZ Studio/Keygeek

数値の上ではほぼ同じで、トラベルも荷重の選択肢もハウジングの素材も共通です。実際の違いはステムとハウジングの色にあります。

Keygeek

Keygeek Y2 switch image
Standardリニア
作動荷重: 48g
総ストローク: 3.6mm
ピン数: 5
トップハウジング: PA12
ボトムハウジング: PA12
工場潤滑済み: はい
LEDサポート: LED
ハウジング材質: PA12 / PA12
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Y2 が注目された理由

Y2x を理解するには、まず Y2 がなぜ話題になったかを知っておくと分かりやすくなります。

Y2 の特徴はマイクロテクスチャ(微細な凹凸)です。スイッチレビューで知られる ThereminGoat 氏のレビューによると、ステムの軸の先端とトップハウジングの縁にワッフル状の模様があり、ステム先端 1 つあたり約 24 個、1 辺約 0.2mm・深さ約 0.1mm のくぼみが刻まれています。底打ちのときの接触面積を減らし、衝突音を抑えるための設計です。同氏は加工したステムで比較し、潤滑だけでなくこの凹凸そのものが打鍵感を変えていることを確かめています。

その結果、ハウジングの当たりは「きびきびとして硬め(snappy, firm)」でありながら、底打ちは「深く丸い(deep, rounded bottom out)」音になり、一般的なロングポールより静音リニアに近い音だと評されています。静音スイッチ特有のぐにゃっとした感触はありません。採点は打鍵感 8.5/10、音 8/10 でした。音をもっと消したい場合は、おすすめ静音リニアスイッチ6選で紹介している静音スイッチと比べてみてください。

弱点はぐらつきです。前後・左右とも小さいながら感じられ(7/10)、慣らし打鍵のテストでは約 17,000 回を超えたあたりから増えたとされています。また同氏は、新しい技術の使い方としては控えめで「とても良いが、劇的ではない」とも述べています。

Y2x で変わったこと

U8 UPE ステム

ステムが Y2 の U5+(UPE ブレンド)から U8 UPE に変わりました。UniKeys の説明では、音がより凝縮されて深くなり、戻りが改善し、底打ち時の不要なノイズが抑えられるとされています。購入者のレビューでも「Y2 よりぐらつきが少ない」「Y2 よりさらに深くコトコトした音」という声があり、Y2x は音以上に、Y2 の弱点だったぐらつきを改善したモデルと言えます。

なお、Y2 の特徴だったワッフル状のステム先端が Y2x にも使われているかは、販売店ページに記載がなく確認できていません。

透明な PA12 ハウジング

Y2 のハウジングは半透明の赤で、購入者からは「白い LED がピンクっぽく見える」という指摘がありました。Y2x は透明な PA12 に変わったため、RGB の色がそのまま出ます。販売店は、この素材が音をクリーンで凝縮されたものに保つとも説明しています。ただし Y2x の LED 対応は明記されていないため、ライティングを重視する場合はキーボード側の対応を確認してください。

バネのラインナップは同じ

どちらも作動荷重 32g/40g/48g/53g の 4 種類です。Y2x は 32〜48g が 22mm、53g が 18mm のバネを使っています。KeyLab DB に登録しているのは 32g 版です。

購入者の評価

2026年10月4日時点で、UniKeys の Y2x のレビューは 11 件・平均 4.7/5 です。深くコトコトした音と、Y2 からの確かな改良(「a true upgrade from Y2」)を評価する声が中心です。一方で「基板からほとんど抜けない」という声もあるため、交換するときはスイッチプラーを使い、無理に引き抜かないようにしましょう。

音を引き出す構成

Y2 系は底打ちを柔らかくすることに主眼を置いたスイッチなので、ボードの影響を受けやすいです。ガスケットマウントでフォームを入れたキーボードに、厚みのある PBT キーキャップを合わせると、深い音を引き出しやすくなります。合わせやすいキーボードは コトコト音のキーボードおすすめ10選 で紹介しています。

まとめ

Y2x は別物ではなく、Y2 の完成度を上げたモデルです。深くこもった音と軽めの荷重の選択肢はそのままに、Y2 で指摘されていた「ぐらつき」と「赤いハウジングによる LED の色かぶり」を改善しました。いまどちらかを選ぶなら、同じ価格帯で Y2x のほうが選びやすいでしょう。すでに Y2 に満足しているなら、違いは確かにありますが小さめです。

Y2 自体については 今週の注目スイッチ:Keygeek Y2 Linear Switch で紹介しています。

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参考

よくある質問

Keygeek Y2x と Y2 の違いは何ですか?
ステムが Y2 の U5+(UPE ブレンド)から U8 UPE に、ハウジングが半透明の赤から透明の PA12 に変わりました。販売店は戻りの改善と底打ち時のノイズの抑制を挙げており、購入者からは「Y2 より深くコトコトした音で、ぐらつきが少ない」という声があります。トラベル(2.0mm/3.6mm)と4種類のバネは同じです。
Y2x はどの荷重を選べばよいですか?
Y2x も Y2 も、作動荷重 32g/40g/48g/53g の4種類です(Y2x のボトムアウト荷重は 37g/45g/53g/63.5g)。一般的な赤軸に慣れているなら 40g か 48g、かなり軽くしたいなら 32g、重めが好みなら 53g が目安です。
Y2x は静音スイッチですか?
静音スイッチではありません。深くこもったコトコト音を狙った通常のリニアです。Y2 は「一般的なロングポールより静音リニアに近い音」と評されましたが、どちらも静音スイッチとしては販売されていません。静音スイッチを探す場合は、おすすめ静音リニアスイッチの記事を参照してください。