選び方・おすすめ

HMX スイッチの選び方:159 種のラインナップを用途別に整理

公開

はじめに

HMX は、工場潤滑の品質と手頃な価格で評価を集めている中国のスイッチメーカーです。KeyLab DB には 159 種の HMX スイッチが登録されており、ブランド別でもっとも多い数です。

選択肢が多いぶん「どれから試せばよいか」が分かりにくいブランドでもあります。本記事では、KeyLab DB の登録値をもとにラインナップの傾向を整理し、種類ごとに代表的なモデルを紹介します。

先に結論

こんな人におすすめ
最初の 1 種に、癖の少ないリニアがほしいHMX Iris(40g)/HMX Nono(45g)
軽い力で長時間打ちたいHMX Blush Charm(37g)
オフィスでも使える静かなリニアがほしいHMX Sakura V2 Silent(45g)/Cinnamon Semi Silent(30g)
コトコトした音のタクタイルがほしいHMX Puppy(45g)/HMX Reze(35g)
静かなタクタイルがほしいHMX Moksae Silent(45g)
磁気式(HE)のキーボードで使いたいHMX Crystal HE Magnetic Gaming(35g)
ほかにない打鍵感を試したいHMX Rain(レールボトムアウト)

HMX のラインナップの傾向

以下は KeyLab DB の登録値にもとづきます(2026年10月時点)。

区分種類数作動荷重の範囲
リニア(通常)11730〜57g
リニア(静音)930〜45g
リニア(磁気式・HE)530〜45g
タクタイル(通常)2335〜55g
タクタイル(静音)535〜48g
クリッキー0—

数字から見える特徴は 4 つです。

  • リニアが 8 割以上。 159 種のうち 131 種がリニアで、クリッキーは登録がありません。
  • ほぼすべて 5 ピン・工場潤滑済み。 5 ピンは 157 種、工場潤滑済みは 153 種です。
  • 軽めの荷重が中心。 作動荷重の平均は 43g で、37g 以下の軽いモデルも 32 種あります。
  • コラボモデルが多い。 98 種にデザイナー(80 Retros・Su Lab など)が登録されています。同じ HMX でも、モデルごとに狙っている音や感触がかなり違います。

なお HMX は、ステムの素材に「LY」「H2」「UPE+」といった独自の名前を付けています。販売店の説明では、H2 は強化した UPE 系の素材、LY は摩擦の少ない素材とされています。素材名だけでは音を判断しにくいため、下の比較表と各モデルの説明をあわせて見てください。

代表モデルのスペック比較

KeyLab DB の登録値です(2026年10月時点)。荷重は作動荷重/ボトムアウト荷重、トラベルはプリトラベル/トータルトラベルです。

モデル種類荷重トラベルステム
HMX Irisリニア40g / 48g2.0 / 3.6mm—
HMX Nonoリニア45g / 53g2.0 / 3.7mmLY
HMX Blush Charmリニア37g / 45g2.0 / 3.7mmUPE+
HMX Rainリニア(RBO)42g / 50g2.0 / 4.0mmPOM 系
HMX Sakura V2 Silent静音リニア45g / 53g2.0 / 4.0mmPOM
HMX Cinnamon Semi Silent静音リニア30g / 37g2.0 / 3.8mmLY
HMX Puppyタクタイル45g / 50g2.5 / 3.5mmH2
HMX Rezeタクタイル35g / 45g2.0 / 3.5mmH2
HMX Cream Tea Lightタクタイル42g / 49g2.0 / 3.9mmH2
HMX Moksae Silent静音タクタイル45g / 53g2.0 / 3.7mmPOM + TPE
HMX Crystal HE Magnetic Gaming磁気式リニア35g / 42g— / 3.3mmPOM

種類別に見る

リニア:まず 1 種なら Iris か Nono

Hmx Iris switch image
Standardリニア
作動荷重: 22mm;40g 18mm:45g
総ストローク: 3.6 ± 0.2 mm
ピン数: 5
トップハウジング: PA12
ボトムハウジング: P3
工場潤滑済み: はい
LEDサポート: led
ハウジング材質: PA12 / P3
スイッチを見る

HMX Iris は、HMX の基本を知るのに向いた標準的な重さのリニアです。販売店の説明では「中音域にまとまった、丸く集中した音」で、高音の耳障りなノイズを抑えた設計とされています。作動荷重は 40g で、キーボードの吸音材が少なければ明るく、多ければ深くコンパクトな音になる、と説明されています。

Hmx Nono switch image
Standardリニア
作動荷重: 45 gf
総ストローク: 3.7 ± 0.2 mm
ピン数: 5
トップハウジング: PA12
ボトムハウジング: P4 (trace glass fiber) Actuation Force
工場潤滑済み: はい
LEDサポート: led
ハウジング材質: PA12 / P4 (trace glass fiber) Actuation Force
スイッチを見る

HMX Nono は Su Lab のデザインです。販売店は、底打ちの音を「丸みのあるクリスプな音」と表現しており、カチャカチャした音が好きだが大きすぎる音は避けたい人に向く、としています。45g と Iris より少し重めです。

Standardリニア
作動荷重: 37g
総ストローク: 3.7±0.2mm
ピン数: 5
トップハウジング: PA 99%
ボトムハウジング: PA 99%
工場潤滑済み: はい
LEDサポート: LED
ハウジング材質: PA 99% / PA 99%
スイッチを見る

軽さを優先するなら、80 Retros がデザインした HMX Blush Charm(37g)です。振動を吸収しやすい UPE+ のステムと PA 系のハウジングで、低く丸い音を狙ったモデルとされています。より重い 53g(ボトムアウト)版もあります。

ザラつきのある独特の感触を試したい場合は、レールボトムアウト構造の HMX Rain もあります。詳しくは今週の注目スイッチ:HMX Rainで紹介しています。

静音リニア:Sakura V2 Silent と Cinnamon Semi Silent

Standardリニアサイレント
作動荷重: 45±2g
総ストローク: 4.0±0.3mm
ピン数: 5
トップハウジング: PA12
ボトムハウジング: Modified PC
工場潤滑済み: はい
ハウジング材質: PA12 / Modified PC
スイッチを見る

HMX Sakura V2 Silent は、おすすめ静音リニアスイッチ6選で総合力の 1 位に選んだスイッチです。トータルトラベル 4.0mm のロングストロークで、静音でも打鍵感が単調になりにくいのが特徴です。

Standardリニアサイレント
作動荷重: 30g
総ストローク: 3.8
ピン数: 5
トップハウジング: PA12 Stem
ボトムハウジング: Reinforced nylon
工場潤滑済み: はい
ハウジング材質: PA12 Stem / Reinforced nylon
スイッチを見る

HMX Cinnamon Semi Silent は、作動荷重 30g と HMX の中でも特に軽い「半静音」のリニアです。販売店の説明では、柔らかいながらもしっかりした底打ちで、深い音を狙ったモデルとされています。完全な静音ではないため、静かさを最優先するなら Sakura V2 Silent のほうが向いています。

タクタイル:コトコト音の Puppy と Reze

H2 large spherical stem tip

Hmx Puppy switch image
Standardタクタイル
作動荷重: 45g
総ストローク: 3.50mm
ピン数: 5
トップハウジング: PA22
ボトムハウジング: P4
工場潤滑済み: はい
LEDサポート: RGB
ハウジング材質: PA22 / P4
スイッチを見る

HMX Puppy は Su Lab のデザインで、押し始めの早い位置に大きめの山があるアーリーバンプのタクタイルです。販売店の説明では、大きな球状のステム先端で底打ちの鋭さを抑え、深いコトコト音(thocky)に仕上げたモデルです。山の感触は鋭くなく、丸く穏やかとされています。

Hmx Reze switch image
Standardタクタイル
作動荷重: 35±2g
総ストローク: 3.5±0.2mm
ピン数: 5
トップハウジング: PA12
ボトムハウジング: P4 (PA66 +25% Fiber glass)
工場潤滑済み: はい
ハウジング材質: PA12 / P4 (PA66 +25% Fiber glass)
スイッチを見る

HMX Reze は作動荷重 35g の軽いタクタイルです。販売店は「HMX のタクタイルに足りなかった、コトコトしてクリーミーな音の選択肢」と説明しています。タクタイルは重くて疲れる、と感じている人が試しやすい軽さです。

もう少し軽い山がほしい場合は HMX Cream Tea Light(42g)もあります。ステムの底を球状にして、底打ちの高音を抑えた設計です。また、デザイナーとのコラボのタクタイルとして今週の注目スイッチ:HMX Waverider V2も紹介しています。

静音タクタイル:Moksae Silent

Standardタクタイルサイレント
作動荷重: 45±2g
総ストローク: 3.7±0.2mm
ピン数: 5
トップハウジング: PC
ボトムハウジング: PA66
工場潤滑済み: はい
ハウジング材質: PC / PA66
スイッチを見る

HMX Moksae Silent は、静音リニアの Moksae をタクタイルにしたモデルです。販売店の説明では HMX の最新の静音機構を使っており、「静かでもぐにゃっとしない」底打ちを狙っています。職場など、音を気にする場所でタクタイルを使いたい人に向いています。

磁気式(HE):Crystal HE Magnetic Gaming

Standardリニア磁気式(ホール効果)調整可能
作動荷重: 35±2g
総ストローク: 3.3mm
ピン数: 5
トップハウジング: PC
ボトムハウジング: PA66+30% fiberglass RT
工場潤滑済み: はい
ハウジング材質: PC / PA66+30% fiberglass RT
スイッチを見る

HMX は磁気式(ホール効果)のスイッチも作っています。HMX Crystal HE Magnetic Gaming は作動荷重 35g の軽いリニアで、販売店は主要な磁気式キーボードと互換性があると説明しています。磁気式のスイッチは、磁気式に対応したキーボードでしか使えない点に注意してください。磁気式キーボードの選び方は磁気スイッチ(HE)キーボードのおすすめにまとめています。

選び方のまとめ

HMX はモデル数が多いものの、5 ピン・工場潤滑済み・軽めの荷重という共通点があり、どれを選んでも大きく外しにくいブランドです。迷ったら、まずリニアの Iris か Nono で HMX の基本的な打鍵感を確かめ、そこから「もっと静かに」「もっと軽く」「山がほしい」と好みに合わせて広げていくのがおすすめです。

もっと探す

参考

よくある質問

HMX のスイッチはどこが作っていますか?
HMX は中国のスイッチメーカーです。自社ブランドのスイッチのほか、80 Retros・Su Lab などのデザイナーや販売店と組んだコラボモデルも多く製造しています。KeyLab DB に登録している 159 種のうち 98 種に、デザイナーの名前が登録されています。
HMX のスイッチは潤滑済みですか?
ほとんどが工場潤滑済みです。KeyLab DB の登録値では 159 種のうち 153 種が工場潤滑済みで、自分で潤滑しなくてもそのまま使えるモデルが中心です。
HMX のスイッチは 3 ピンのキーボードに挿せますか?
159 種のうち 157 種が 5 ピンです。3 ピン用のソケットのキーボードに挿す場合は、スイッチの両脇にある 2 本の樹脂ピンをニッパーで切り落とす必要があります。
HMX にクリッキースイッチはありますか?
2026年10月時点の KeyLab DB には登録がありません。HMX のラインナップはリニアとタクタイルが中心です。