Kailh Choc V2 スイッチの選び方:静音からクリッキーまで21種を整理
はじめに
ロープロファイルのメカニカルキーボードで、いま最も選択肢が多いのが Kailh Choc V2 規格のスイッチです。以前は赤・茶・白といった定番色から選ぶ程度でしたが、2026 年にかけて Lofree とのコラボシリーズや Deep Sea(深海)シリーズの静音スイッチ、他社の Choc V2 互換スイッチが相次いで登場し、選び方が分かりにくくなってきました。
この記事では、KeyLab DB に登録されている Choc V2 対応スイッチ 21 種を、静音リニア・リニア・タクタイル・クリッキーに分けて整理します。主役は、KeyLab DB の運営者が長く使っている静音リニア Kailh Choc V2 Pink Island です。
先に結論
| こんな人に | おすすめ |
|---|---|
| 静かで、とにかく軽く打ちたい | Pink Island(35gf)。さらに浅く軽くしたいなら Purple Iris(30gf) |
| 静かだが、軽すぎるのは苦手 | Deep Sea Silent Linear(43gf)、Lofree Void / Hades(40gf) |
| 静かなタクタイルがほしい | Deep Sea Silent Tactile(45gf) |
| 静音でなくてよいので、しっかりしたリニアを | White Rain(50gf)、Lofree Ghost(50gf・フル POM) |
| 分かりやすいクリック感がほしい | Hide Mountain(50gf) |
Choc V1 と Choc V2 の違い
Kailh のロープロファイルスイッチには V1 と V2 の 2 世代があり、キーキャップに互換性がありません。
| 項目 | Choc V1 | Choc V2 |
|---|---|---|
| ステム | 細い専用ステム | MX と同じ十字形のステム(防塵の円形の壁付き) |
| キーキャップ | V1 専用(MBK など) | 十字ステム用(MX 互換のキーキャップも付く) |
| ホットスワップ | 共通のソケット | 共通のソケット(ただしハウジングがやや高い) |
ホットスワップのソケットは共通ですが、V2 はハウジングが少し高いため、V1 向けに設計されたキーボードすべてに V2 が載るわけではありません。キーボードを選ぶときは、スイッチの対応欄に「Choc V2」とあるかを確認してください。
なお、Kailh Choc Round(Red / Brown / Blue)は V1 系です。名前に「Choc」が付いていても V2 ではないので注意してください。
スペック一覧
以下は KeyLab DB の登録値にもとづきます(2026年9月29日時点)。「—」は未登録です。
| スイッチ | タイプ | 静音 | 作動荷重 | プリトラベル | トータル |
|---|---|---|---|---|---|
| Kailh Purple Iris Silent Linear | リニア | ○ | 30gf | 0.8mm | 1.8mm |
| Kailh Choc V2 Pink Island Linear | リニア | ○ | 35gf | 1.3mm | 2.8mm |
| Mist Key Switch(霧) | リニア | ○ | 37gf | 1.3mm | 2.8mm |
| Lofree Void Silent Linear | リニア | ○ | 40gf | 1.3mm | 2.8mm |
| Lofree Hades Silent Linear | リニア | ○ | 40gf | 1.3mm | 2.8mm |
| Kailh Choc V2 Deep Sea Silent Linear | リニア | ○ | 43gf | 1.3mm | 2.8mm |
| Kailh Choc V2 Deep Sea Silent Tactile | タクタイル | ○ | 45gf | 1.3mm | 2.8mm |
| Kailh Saker Mini | リニア | 37gf | 0.8mm | 1.8mm | |
| Kailh Taro Ice Cream Mini Linear | リニア | 37gf | 1.2mm | 2.8mm | |
| Kailh Spring Mini Linear | リニア | 40gf | 1.2mm | 2.8mm | |
| Lofree Surfer Linear | リニア | 40gf | 1.3mm | 2.8mm | |
| Lofree Specter Linear | リニア | 40gf | 1.2mm | 2.8mm | |
| Kailh Choc V2 White Rain Linear | リニア | 50gf | 1.2mm | 2.8mm | |
| Lofree Ghost Linear | リニア | 50gf | 1.2mm | 2.8mm | |
| Kailh Winter Mini Tactile | タクタイル | 38gf | 1.6mm | 2.8mm | |
| Lofree Pulse Tactile | タクタイル | 40gf | 1.6mm | 2.8mm | |
| Lofree Kailh Choc V2 Phantom Tactile | タクタイル | 45gf | 1.6mm | 2.8mm | |
| Kailh Choc V2 Black Cloud Tactile | タクタイル | 45gf | 1.6mm | 2.8mm | |
| Kailh Autumn Mini Clicky | クリッキー | 40gf | 1.2mm | 2.8mm | |
| Kailh Summer Mini Clicky | クリッキー | 50gf | 1.2mm | 2.8mm | |
| Kailh Choc V2 Hide Mountain Clicky | クリッキー | 50gf | 1.2mm | 2.8mm |
ほとんどがトータル 2.8mm で、作動荷重は 35〜50gf の間に収まっています。Purple Iris と Saker Mini だけはトータル 1.8mm の短ストロークで、ほかとは打ち心地がはっきり違います。
種類別に見る
静音リニア
ロープロファイルキーボードは筐体が薄く、底打ちの音が響きやすい傾向があります。持ち運んでカフェや会議室で使うなら、まず静音リニアから選ぶのがおすすめです。
Pink Island は 35gf と軽く、2.8mm ストロークの Choc V2 では最も軽い静音リニアです。販売店は二重のシリコンダンパーで打鍵音を抑えたと説明しています。軽いぶん、キーに指を置いているだけで押してしまう人には向きません。
同じ深海シリーズの Deep Sea Silent Linear は 43gf で、Pink Island より少し重めです。静かさは欲しいが、軽すぎると誤入力が増える人に合います。
Jezail Funder の 霧(Mist) は 37gf で、Pink Island と Deep Sea Silent Linear の中間です。詳しくは 今週の注目スイッチ:霧 Switch で紹介しています。
Purple Iris は 30gf・トータル 1.8mm と、軽くて浅い静音リニアです。ストロークが短いぶん指の移動が少なく、ノートパソコンのキーボードに近い感覚で打てます。
ただし、Purple Iris は通常の Choc V2 スイッチより軸(ステム)が短く、同じキーキャップを付けてもキーの高さが低くなります。運営者も使ったことがありますが、ほかの Choc V2 スイッチと混ぜて使うとキーの高さがそろわないので注意してください。
Lofree の Void / Hades はいずれも 40gf の静音リニアです。Lofree のキーボード(Flow シリーズ)向けに作られたスイッチですが、Choc V2 のソケットであれば他のキーボードにも使えます。
リニア
静音でなくてよいなら、選択肢は一気に広がります。定番は White Rain(50gf)で、Chosfox Init40 や EPOMAKER LUMA40 など多くのロープロファイルキーボードで標準スイッチとして採用されています。
Lofree と Kailh のコラボ「Shadow シリーズ」の Ghost も 50gf のリニアで、ステム・ハウジングともに POM 素材で作られているのが特徴です。軽めが好みなら、37〜40gf の Taro Ice Cream Mini / Spring Mini / Lofree Surfer / Specter から選べます。
タクタイル
Black Cloud(45gf)が Choc V2 の定番タクタイルです。Shadow シリーズの Phantom(45gf)は同じ荷重でフル POM 素材、より軽いタクタイルがほしいなら Winter Mini(38gf)や Lofree Pulse(40gf)があります。静かなタクタイルは Deep Sea Silent Tactile の一択です。
クリッキー
Hide Mountain(50gf)が定番です。同じ 50gf の Summer Mini、少し軽い 40gf の Autumn Mini もあります。ロープロファイルキーボードは打鍵音が響きやすいので、クリッキーは周囲に人がいない環境向けです。
運営者メモ:オフィスで Pink Island を 1 年使って
KeyLab DB の運営者は、オフィスでの仕事用に Pink Island を 1 年ほど使っています。はじめは Kizzi i75v2 に載せ、その後キーボードを ATK Yogo 75 Pro に替えてからも使い続けています。現在は i75v2 に霧、Yogo 75 Pro に Pink Island という組み合わせです。
選んだ理由は、オフィスで使うため、周りに響かない静かさが前提だったことです。キーキャップは FYNMI のロープロファイル PBT キーキャップ(白を基調にした Mac 風の配色、昇華印字)を組み合わせていて、Pink Island との相性はとても良いと感じています。
気になる点は、文字以外のキーでは軽すぎることです。そのため文字以外のキーは、同じ深海シリーズで少し重い Deep Sea Silent Linear(43gf。販売店によっては Islet と呼ばれます)に差し替えて使っています。どちらも静音リニアなので、静かさはそのままにキーによって重さだけを変えられ、誤入力も減りました。
Choc V2 が載るキーボード
KeyLab DB の 40% キーボードでは、次の 3 機種が Choc V2 のホットスワップに対応しています。
- Chosfox Init40(ロウスタッガード 42 キー)— 今週の注目キーボード:Chosfox Init40 で紹介しています
- Chosfox Geonix48 Rev2.5(格子配列 47 キー)
- EPOMAKER LUMA40(47 キー)
左右に分かれたロープロファイルキーボードは ロープロファイル × 分割キーボード6選を徹底比較 にまとめています。
まとめ
Choc V2 のスイッチは、トータル 2.8mm・作動荷重 35〜50gf の範囲に集まっているため、まず「静音かどうか」、次に「荷重」で絞ると選びやすくなります。静かで軽いものなら Pink Island、少し重めなら Deep Sea Silent Linear、しっかりしたリニアなら White Rain が出発点です。
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参考
よくある質問
- Choc V1 と Choc V2 のキーキャップは共通ですか?
- 共通ではありません。V1 は細い専用ステム、V2 は MX と同じ十字形のステムを採用しているため、キーキャップを付け替えることはできません。
- 通常サイズ(MX 互換)のキーボードに Choc V2 スイッチは挿せますか?
- 挿せません。Choc V2 は Kailh のロープロファイル用ソケットに合わせた設計で、MX 互換のホットスワップソケットとはピンの配置が異なります。
- 静音の Choc V2 で軽いのはどれですか?
- KeyLab DB の登録値では Kailh Purple Iris(作動荷重 30gf、トータル 1.8mm)が最も軽く、一般的な 2.8mm ストロークの中では Kailh Choc V2 Pink Island(35gf)が最も軽い静音リニアです。なお Purple Iris は通常の Choc V2 より軸が短く、キーの高さが低くなる点に注意してください。
- Kailh Choc Round は Choc V2 のスイッチですか?
- いいえ。Choc Round シリーズ(Red / Brown / Blue)は Choc V1 系のスイッチです。V2 用のキーボードに挿す前に、対応ソケットを確認してください。











